住まいを新築するなら~夏は遮熱を旨とすべし⑤

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おはようございます。

分譲地の一角に平屋住宅の着工です。

35区画くらいの分譲地で、ここ以外は建築済で皆さん、お住まいなので気を付けながら工事しないといけません。

さて、第5回。

断熱材を厚くすることで夏の快適性を確保

という手法を多くの高性能住宅では選択しています。

その結果、夏でも室内が涼しいという結果になっている。

というのが私の見解です。

そしてその手法はコストがかなり掛かるということです。

外壁材に注目する

夏の車内は日中、70℃を超えたりするのは良く報道されますが、日射によって外壁が温められるのも同じ現象です。

以前、建築で使う外壁材の温度を日差しの強い夏の真昼に計測したことが有ります。

窯業系のサイディング(白系)で55℃前後。

色の濃い目の粘土瓦で60°前後。

色の黒い遮熱塗料を塗ったガルバリウム鋼板で62℃前後。

建築用の外壁塗料(白系)で50℃前後。

白い漆喰材で45℃前後

あるメーカーの白い漆喰材で35℃前後。

多くの方が色が白いことで温度が低くなるというのは、経験上ご存知だと思いますが、それを差し引いても材料によって表面温度の変化が見られることが分かりました。

本来であれば色を同じにしてするべきですが、手元の材料で実験したので不揃いでした。

数値に反映されない

H25年基準では断熱や日射取得が数値化されまました。

しかし外壁材や色の効果は経験則では理解されていますが、表面温度が持つ悪影響は数値化されていません。

外壁は黒より白の方が暑くない、程度の認識しかないのが残念です。

外壁材料はデザインの重要な要素であり、簡単に変えられるというものでは無いのですが。

ただ外壁材に限っては現在は窯業系のサイディングがほぼ独占しています。

ここを少し考えるのも必要かと思います。

赤外線

何度か、築30年ほどの実家の話を例に挙げてきました。

夏の日差しが外壁を温めて、その熱が断熱材に影響を与える現象を紹介しました。

これは外壁が温められ、赤外線が発生し輻射熱で断熱材を温めるというメカニズムです。

この赤外線を反射してくれる材料があります。

それはアルミニウムです。

物性特性としての赤外線反射効率は97%になります。

これを利用している建築材料が透湿防水シートですが、アルミの透湿防水シートは構造上、赤外線の反射率が大幅に下がってしまうことも分かっています。

湿度対策

透湿防水シートというのは外壁の内側に貼るシートで、湿気は通し、雨は防ぐシートになります。

細かい説明は省きますが、アルミの透湿防水シートはこの性能を確保するため、アルミ蒸着という製造方法をとっています。

アルミニウムを熱し、霧状にします。それをシートに「蒸着」することでアルミ透湿防水シートができます。

微細な穴の開いたアルミシートが現在のアルミ透湿防水シートです。

もう一つのアルミシート

ところで弊社で採用している断熱工法はCW断熱工法と言います。

蒸着タイプのアルミシートとは違い、アルミ箔の防水シートと硬質ウレタンの組み合わせという簡単なものです。

このアルミ箔のシートが赤外線を反射してくれ、夏の室内環境を改善するものです。

別の記事で書きますが、6地域における、CW断熱のウレタン厚みは25㎜が標準です。

ちなみにUa=0.87という基準はアルミのペアガラスでも標準厚みでクリアしています。

夏の遮熱対策の切り札

私が今まで調べて、探した中で性能とコストのバランスが最も優れた断熱工法が、このCW断熱工法です。

実はその結果も出ています。

私の自宅を4年前に建てた際に採用しました。

リンクの記事がその年間光熱費を表にしたものです。

2013、2014年のデータですが、当時からは太陽光などの再エネ賦課金がかなりプラスされていますので、今の光熱費であればプラス10%くらいでしょうか。

*2015年以降のデータも取得していますので今後アップしたいと思います。

価格の目安

価格が気になるところですが、35~40坪の2階建て住宅の比較をしてみましょう。

一般的なグラスウールの断熱材の施工費込の価格が40~50万くらいです。

CW断熱工法の同様の価格が70~80万くらいになります。

断熱材を厚くするというは桁が一つ、いや倍くらいになるようです。

どの構法を選ばれるかは人それぞれですが、一度CW断熱のお話しを聞いて頂ければと思います。

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