日本の省エネ住宅動向-2016-

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2016年 住宅の基準はどのようになっているのか?

まず、知っていただきたいこと。
2020年(平成32年)に住宅の断熱基準が義務化されます。
Energy-saving standard_H25

上記の表は日本を8つの地域に分け、地域ごとの断熱の基準数値を定めたものです。
この「改正省エネ基準」は建築基準法で2013年(平成25年)に定められ、2020年(平成32年)に建築確認申請時に義務化されます。2016年現在は旧基準であるH11年省エネ基準で建築することができます。

Q値:熱損失係数と呼ばれる指標で、住宅の床面積で除したもの。住宅の断熱性能を数値的に表したものです。値が小さいほど断熱性能が高いことを表します。H11年省エネ基準で使用されていました。

Ua値:外皮平均熱貫流率と呼ばれる指標で、住宅の外皮表面積(床・外壁・屋根〈天井〉)で除したもの。H25年改正省エネ基準で新しく定められ、Q値と同じく住宅の断熱性能を表します。数値が小さいほど性能が高いことを表します。今後はこの基準が住宅の指標として統一されます。

断熱の指標として、Q値とUa値のどちらか、又は両方を使う住宅会社がありますが、今までQ値が主流だったため、営業マンや技術者が理解しやすいことからQ値を使っているのが現状です。細かい計算等の説明よりも上記の表の数値を覚えて頂いて、「あなたの会社のUa値は?η値は?」と聞くのが公平に比較できます。

η値(イータ):冷房期の平均日射熱取得率の基準という指標で、住宅の外皮表面積(床・外壁・屋根〈天井〉)で除したもの。分かりやすく言いかえると、窓・庇・シェードなどを使い住宅の中に夏の日射が入らないようにする措置に対して、定められた数値と考えてください。数値が小さいほど性能が高いことを表します。

断熱設計・計算(Ua値、η値計算)していると気付くことが有ります。
6地域である香川県は、Ua値よりもη値を下げる(性能を上げる)ほうが難しいという点です。
そこで考えたのは次のテーマでした。

夏の暑さ対策? 冬の寒さ対策?

「住まいは夏を旨とすべし」という考え方があります。
しかし昨今の住宅事情、上記で書いた省エネ基準を見ると「省エネ=断熱」つまり冬の寒さ対策という考え方が主流です。
それ自体は間違っていないと思うのです。
しかし、この香川県では5月くらいから暑くなり、11月の初旬まで残暑が厳しい、と思いますがいかがでしょう?

7カ月間もの長い間、暑いと感じています。

では寒さはどうでしょう?
12月半ばくらいから寒くなり、3月の初めくらいは寒いと感じる方が多いのではないでしょうか。
皆さんがどう感じるか、個人差があるので何とも言えませんが、寒いのは3か月くらい、だと思うのです。

しかし夏の暑さ対策よりも冬の寒さ対策に重点が置かれている。
私は賃貸アパートに3年ほど住みましたが、冬のガス代は1万円を超えましたが、夏は3~4000円でした。
金銭の心理的部分が影響を与えているのではないかと思っています。

夏の暑さ対策なのか、冬の寒さ対策なのか意見が分かれると思います。
しかし私達は「両方、バランスよく。予算に合わせて」だと考えています。

超高断熱住宅の疑問点

ドイツで生まれた、超高断熱住宅「パッシブハウス」という住宅があります。
断熱材の厚みが内側約100㎜、外側約200㎜、合計で約300㎜にもなる住宅です。
日本の住宅は100㎜の断熱材が主流です。(5から8地域)

パッシブハウスは気温が-20℃にもなる極寒の地でも、暖房なしでも過ごせるほどで、その省エネ性、断熱性、気密性は世界トップレベル。
WIKI パッシブハウス

余談ですが、このパッシブハウスは本物を造ろうとすれば、坪100万以上かかるそうです。
確かに寒さ・暑さをしのぐ、安定した室内環境は健康にとっては良いかも知れません。
Ua値は0.3を切る住宅もあるそうです。
香川という温暖な地域で、「-20℃の極寒地でも暖房なしで過ごせる超高断熱の家を建てる」というのは、いささか行き過ぎではないかと思います。

もちろん超高断熱を望む方にとっては価値のある住まいだと、理解しています。

しかし、南海建設 木づき工房ではそうではないと考えています。
そこまで性能の「良すぎる住まい」は香川県にはそぐわないと考えているからです。

超高断熱住宅を否定するものではありません。
香川県の気候風土から考えると、疑問に感じているというのが本心です。

予算と性能、健康な住まいはバランス

住宅の構成要素【断熱・耐震・外壁、内装などの仕上げなど】は限られた予算を使い決めていくものです。
断熱を重視するのか、デザインや自然素材等の仕上げを重視するのか、間取りなのか。
挙げればキリがありませんが、一つだけハッキリ言えることが有ります。

住宅づくりは、コストとデザイン・性能のバランスだと南海建設 木づき工房では考えています。

さらに踏み込んでいうなら、私達、住宅会社には、ご家族が家族仲良く暮らすために、住宅ローンに追われるようなストレスから解放される「健康」を考えた住まいを私達は提供する義務があります。

世代をつなぐ住まいづくり

コストと性能を両立した断熱材

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